2026.10.22

【横山桜空】神楽カードで大分を盛り上げる!

おおいた神楽継承プロジェクト 横山桜空

N高等学校3年生(取材時点)の横山桜空さん。神楽のファンとして各地に足を運ぶ中で、後継者不足などの課題を知り、神楽を活かした事業づくりに取り組んでいます。神楽の魅力を広めたいという思いと、事業を考えた背景、SHIFTで取り組みたいことについて伺いました。

はじめに自己紹介をお願いします

N高等学校3年の横山桜空といいます。神楽が好きで、追っかけとして各地の神楽を見に行っています。

祖父が神楽の舞手だったので、幼い頃から神楽の存在は知っていました。本格的に好きになったのは高校2年生の頃です。自分の好きなことで起業したいと思い、N高等学校に転校した時期でした。まずは好きなことを探そうと神社巡りを始め、そこで神楽と再会したんです。

神楽は語れば語るほど面白いのですが、私が特に魅力を感じるのは、神楽を通じて生まれる人とのつながりです。

神楽の会場は、約束や連絡をしなくても人に会える場所です。見に行くと、住んでいる場所も違う方々が、久しぶり、元気だったかと気さくに声をかけてくださいます。毎日連絡を取り合うわけではないけれど、月に何度か顔を合わせ、神楽について語り合う。待ち合わせをしていないのに会えることが、すごく面白いと思いました。

同時に、こうしたつながりをなくしてはいけないとも感じました。そのため、私のようなファンを増やし、神楽をもっと多くの人に知ってもらいたいと思うようになったんです。

活動を始めると、後継者不足をはじめ、神楽が抱えるさまざまな課題が見えてきました。何とか解決につなげられないかと考えたことが、神楽を活かした起業を目指すきっかけとなりました。

事業立ち上げについて、どんな事業内容を考えていますか

大きく二つ考えています。一つは、神楽を題材に、カルタの要素を入れたカードゲームを作ることです。花札の要素も組み合わせています。今後はほかのゲーム性も取り入れていく予定です。これまで神楽に興味がなかった方にも、遊びを通じて触れてもらいたいと思っています。

神楽の歴史を、カードゲームでの遊びと組み合わせて伝えられないかと考えました。神楽は地域や流派によって、仮面の表情や太鼓の調子が違います。それぞれの神楽に個性があって、同じものは一つとして存在しないんです。そうした違いも、楽しみながら感じていただけたらと思っています。

ただ、神楽団体は数多くあり、そのすべてをカードゲームにするのは現実的ではないと悩んでいました。

そのとき、大分県南部振興局の方から、神楽を活かした地域づくりについて相談をいただきました。

そこから話が進み、まずは佐伯市宇目町の「宇目神楽保存会」と「重岡岩戸神楽」の2団体を題材に、カードゲームを作ることになりました。企画・開発は私が主体となって進めています。南部振興局の方や地域おこし協力隊の方には、相談やサポートをしていただいています。

もう一つは、神楽を楽しむ体験を組み込んだ旅行プランを、旅行会社に提案することです。神楽を観光資源としても知ってもらい、大分ならではの魅力として楽しんでいただきたいと思っています。

神楽は神事でもあるので、かしこまって見なければいけないと感じる方もいます。でも、私が見てきた地元の神社のお祭りでは、星空の下、食事や会話を楽しみながら、和気あいあいと神楽を見ています。その自然な雰囲気が、とても良いんです。

県外や海外から来た方にも、その場を体験してもらいたいです。神楽の舞だけでなく、地域の人たちと一緒に楽しむ時間も知ってもらえたら、神楽への印象が変わるのではないかと思います。

大分には温泉という観光資源があるので、温泉と神楽を一緒に楽しめる旅も考えています。温泉に入った後、食事をしながら神楽を見る。そんな過ごし方を旅行プランとして提案し、神楽の魅力を広めていきたいです。

今回SHIFTへ応募したきっかけを教えてください

株式会社ATOMicaの工藤さんから紹介していただいたことがきっかけです。最初は、気になるから参加してみようという気持ちでした。

事前講座に何度か参加すると、自分が学びたいことや、悩んでいたことに応えてくれる内容が多くありました。これだけ得るものがあるなら、SHIFTにエントリーした後の伴走支援ではさらに学べるのではないかと感じました。

特に印象に残っているのは、株式会社Another worksの大林さんの講義です。なぜ今まで誰も取り組んでこなかったのかなど、自分のアイデアを問い直すことの大切さを教わりました。

自分では良いものだと思って作っているので、一見、完璧に見えてしまいます。でも、その考えを自分で突き詰めることができていなかったと気づきました。目指していることを客観的に見つめ直す、ありがたい機会でした。

今回は、二つの構想のうち、カードゲームの事業で応募しました。

事業を形にする過程で伴走していただき、より良いものを作りたいと思っています。

事業をつくるうえで、今一番課題に感じていることは何ですか

「事業性」と「持続性」の二つです。

事業性では、カードゲームを作ったとして、実際に買ってくださる方がいるのかが分からないことです。神楽の後継者不足は、神楽に関わる人たちが抱えている課題ですが、それがそのまま、カードゲームを買う方の悩みや購入する理由になるわけではありません。

文化を残したいという思いだけでなく、遊びとして楽しんでいただけるか、買いたいと思ってもらえるかを考えなければいけないと感じています。

まずは、将来的な構想として地元の小中学校で学びのために使っていただいたり、ホテルに置いて宿泊者に貸し出していただいたりすることを考えています。行政と連携し、補助金の活用も考えながら、神楽とカードゲームを知ってもらう機会を作りたいです。

その一方で、どのように収益を得て、事業を続けていくのかは、もっと深く考える必要があります。多くの方に知ってもらうことと、継続できる事業にすることの両方に取り組みたいです。

もう一つの持続性は、私個人の熱意だけに頼らないことです。私は神楽が好きなので、その魅力を強く発信できます。でも、もし活動を引き継ぐ人に、私と同じくらいの熱意がなければ続けられないとなると、次につながりません。

だからこそ、個人の情熱に加えて、事業として続けられる仕組みを作りたいという思いがあります。

今後掲げるビジョンを教えてください

神楽を、大分の魅力としてもっと多くの人に知ってもらいたいです。温泉と並ぶくらい、神楽も大分を代表するものになってほしいと思っています。

私が各地で出会った人たちのように、神楽を見に行き、楽しみ、語り合うファンを増やしたいです。神楽の魅力を県外にも伝え、これからも地域に残していけるよう、事業づくりに取り組んでいきたいと思っています。

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